【朝日新聞/社説】慰安婦問題合意、最大懸案解決で日韓関係前進だ。アジア女性基金失敗の失敗はマスコミも含めて考えたい
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1: 雨宮◆3.yw7TdDMs 2015/12/29(火)12:16:36 ID:MrS
戦後70年であり、日本と韓国が国交正常化してから半世紀。そんな1年の終わりに、両政府は最大の懸案だった慰安婦問題で合意に達した。節目の年にふさわしい歴史的な日韓関係の進展である。両政府がわだかまりを越え、負の歴史を克服するための賢明な一歩を刻んだことを歓迎したい。
きのうあった外相会談の後、岸田外相は慰安婦問題を「軍の関与のもと多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題」と定義し、「日本政府は責任を痛感している」と明言した。 50年前の請求権協定で「法的には解決済み」とする日本政府はこれまで、国家責任を連想させる言葉遣いに消極的だった。今回はその原則を維持しつつ、率直な表現に踏み込んだ。
安倍首相は日本の首相として元慰安婦に対し、「心からのおわびと反省」を表明した。かつて慰安婦問題をめぐる「河野談話」の見直しに言及したこともある安倍首相だが、岸田外相を通じてとはいえ、談話の核心部分を韓国で表明したことには大きな意味がある。
一方、韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相も日本政府に応えた。今回の合意について、「日本政府の措置の着実な実施」という前提つきながら、「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と言い切った。日本側から「韓国は約束してもゴールポストを動かす」と批判されていたことを意識したうえでの確約の表明である。両外相ともメディアを通じて両国民に固く誓ったのだ。合意をしっかり履行してほしい。
韓国政府は、元慰安婦の名誉と尊厳を回復し、心の傷を癒やすための財団をつくり、そこに日本政府が約10億円を国家予算から拠出する。
日本は90年代、国民の募金からなる「償い金」と、政府の資金による医療・福祉支援事業に首相の「おわびの手紙」を添えた「アジア女性基金」事業を始めた。東南アジアなどで成果を生んだが、韓国では反対の声が強まり、頓挫してしまった。
日本政府が必ずしも積極的な姿勢で事業に臨まなかったことや、「償い金」に民間募金をあてたことなどで、韓国側は責任回避だとして反発した。両政府とともに、元慰安婦たちの支援者ら市民団体、メディアも含めて、当時の教訓を考えたい。
韓国の支援団体は合意について「被害者や国民を裏切る外交的談合」と非難している。日本側からもナショナリズムにかられた不満の声がでかねない。だが今回の合意は、新たな日韓関係を築くうえで貴重な土台の一つとなる。日本政府は誠実に合意を履行し、韓国政府は真剣に国内での対話を強める以外に道はない。
請求権のほか、漁業、文化財・文化協力、在日韓国人の法的地位の4協定はこれまで、その時々の実情に合わせて何らかの形で改良が加えられてきた。現在の日韓関係の原点ともいえる「65年体制」の枠組みを、時代に応じて考えていくことは、
いまを含む各世代の両国民が担う責務である。
この半世紀で日韓関係は大きく飛躍した。韓国の1人あたりの国民所得は、当時の100ドル余りが今や3万ドルの目前。そこには日本の経済協力金が役立った。そして日本も、急成長する韓国から莫大(ばくだい)な利益を得た。ともに協力し合い、利益を広げる互恵の関係がこの半世紀の歩みだったし、これからもあるべき隣国関係の姿である。3日後の新年からは、日韓がともに前を向いて歩む50年の始まりとしたい。
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
きのうあった外相会談の後、岸田外相は慰安婦問題を「軍の関与のもと多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題」と定義し、「日本政府は責任を痛感している」と明言した。 50年前の請求権協定で「法的には解決済み」とする日本政府はこれまで、国家責任を連想させる言葉遣いに消極的だった。今回はその原則を維持しつつ、率直な表現に踏み込んだ。
安倍首相は日本の首相として元慰安婦に対し、「心からのおわびと反省」を表明した。かつて慰安婦問題をめぐる「河野談話」の見直しに言及したこともある安倍首相だが、岸田外相を通じてとはいえ、談話の核心部分を韓国で表明したことには大きな意味がある。
一方、韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相も日本政府に応えた。今回の合意について、「日本政府の措置の着実な実施」という前提つきながら、「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と言い切った。日本側から「韓国は約束してもゴールポストを動かす」と批判されていたことを意識したうえでの確約の表明である。両外相ともメディアを通じて両国民に固く誓ったのだ。合意をしっかり履行してほしい。
韓国政府は、元慰安婦の名誉と尊厳を回復し、心の傷を癒やすための財団をつくり、そこに日本政府が約10億円を国家予算から拠出する。
日本は90年代、国民の募金からなる「償い金」と、政府の資金による医療・福祉支援事業に首相の「おわびの手紙」を添えた「アジア女性基金」事業を始めた。東南アジアなどで成果を生んだが、韓国では反対の声が強まり、頓挫してしまった。
日本政府が必ずしも積極的な姿勢で事業に臨まなかったことや、「償い金」に民間募金をあてたことなどで、韓国側は責任回避だとして反発した。両政府とともに、元慰安婦たちの支援者ら市民団体、メディアも含めて、当時の教訓を考えたい。
韓国の支援団体は合意について「被害者や国民を裏切る外交的談合」と非難している。日本側からもナショナリズムにかられた不満の声がでかねない。だが今回の合意は、新たな日韓関係を築くうえで貴重な土台の一つとなる。日本政府は誠実に合意を履行し、韓国政府は真剣に国内での対話を強める以外に道はない。
請求権のほか、漁業、文化財・文化協力、在日韓国人の法的地位の4協定はこれまで、その時々の実情に合わせて何らかの形で改良が加えられてきた。現在の日韓関係の原点ともいえる「65年体制」の枠組みを、時代に応じて考えていくことは、
いまを含む各世代の両国民が担う責務である。
この半世紀で日韓関係は大きく飛躍した。韓国の1人あたりの国民所得は、当時の100ドル余りが今や3万ドルの目前。そこには日本の経済協力金が役立った。そして日本も、急成長する韓国から莫大(ばくだい)な利益を得た。ともに協力し合い、利益を広げる互恵の関係がこの半世紀の歩みだったし、これからもあるべき隣国関係の姿である。3日後の新年からは、日韓がともに前を向いて歩む50年の始まりとしたい。
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