＜クリントンやバイデンら民主党幹部は、サンダースの指名獲得を阻止しようとしていると、映画監督マイケル・ムーアが猛反論。内紛はトランプを利するだけだが＞

バーニー・サンダース上院議員は自分以外の候補が民主党大統領候補に指名された場合、選挙協力を拒むだろう――そんな主張でサンダースを叩くヒラリー・クリントン元国務長官と民主党幹部に、映画監督でサンダース支持者のマイケル・ムーアがかみついた。

クリントンら民主党幹部がサンダースの民主党指名獲得を阻止しようとしているという報道を受けて、ムーアは民主党全国委員会（DNC）を激しく非難した。

2020年大統領選の初戦を飾るアイオワ州の党員集会を前にニュース専門放送局MSNBCに出演したムーアは、サンダース支持者を民主党分裂の元凶と非難するキャスター、アリ・ベルシの指摘に反論。2016年の選挙でサンダースがクリントンを支持したこと、今回も7月の党大会で決定された指名候補を支持すると誓ったことを挙げた。

ムーアは、ヒラリー・クリントンがサンダースについて「彼は誰からも好かれていない」と攻撃したこと、またジョー・バイデン元副大統領が、サンダースが指名を獲得しても支持しないと表明したことに触れ、これは「コーポレートデモクラット（企業側に立つ民主党員）」がトランプに味方をしている証拠だ、と述べた。サンダースは国民皆保険や大学の学費無料化などの政策を掲げるリベラル派で、若者たちに人気があるが、産業界からは非現実的な左派と疎まれている。

「サンダースは、民主党の大統領候補が誰になろうと、11月3日の大統領選挙での勝利をめざして全力で戦うつもりだと言い続けてきた。民主党の分断は、サンダースのせいじゃない。サンダースはいつも党の団結をめざしてきたし、前回の2016年の大統領選でもそうだった」とムーアは語った。

バイデンとクリントンの発言についてはこう言った。「民主党大統領候補を支持しないと言うなら、トランプ陣営に味方することになる。それは違う、と彼らは言うだろう。でも民主党候補を支持しないなら、いったい誰を支持することになるんだ？」

ムーアは、サンダースと民主党の最終目標はトランプを破ることだと何度も繰り返し発言してきた。

31日の夜、サンダース支持者の集会に出席したムーアは、指名候補を決定する7月の民主党全国大会で、サンダースの指名獲得を妨げる不正操作を試みるDNC関係者に憤りを覚える、と言った。

「戦う相手は、ドナルド・トランプや共和党員、アメリカ産業界、銀行、ウォール街だけで十分だ。もう手いっぱいだ」と、ムーアは熱を込めて語った。「でも、バーニー・サンダースが今やトップに立っていること、指名選挙に勝つかもしれないこと、次の大統領になるかもしれないことに、民主党の1％でしかない企業寄りの連中は腹を立てている。彼らとも戦わなければならない」

トランプは分裂を利用

トランプは2日、民主党陣営の不和を煽るかのようにツイートした。「今流れている民主党の選挙広告の多くは、（同じく民主党予備選に立候補している）マイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長がカネを出している。彼の選挙運動は足踏み状態で、ただカネを無駄にしているが、DNCにサンダースの選挙に対する不正工作を仕掛けさせている」

最近のエマーソン大学7ニュースの世論調査によれば、サンダースと実業家アンドリュー・ヤンの支持者は、他の民主党候補が指名された場合、本選で支持する可能性が最も低いことがわかった。だが民主党の予備選挙に投票する有権者の圧倒的多数は、予備選挙で勝利した候補を支持すると語っている。

2020年2月3日（月）18時25分　全文はソース元で
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